ホームページ担当の渡辺敏恵です。

今年のWABAS全国大会は10月27・28日に熱海で開催されました。
熱海市指定有形文化財の<起雲閣>という由緒ある名邸のホールでの開催のため、座席も近く、登壇者とも、それぞれの顔の見える和気藹藹とした雰囲気で行われました。初日は落語家さんも登場する初めての試みでしたが、全員で爆笑する、という全国大会では珍しい時間も経験しました。また、二日間に共通したのは、参加者の皆さんが質疑応答の時間に積極的に発言されたということです。核心を突く発言が相次ぎ、参加者の皆さんの意識の高さを再認識する経験でした。WABASの歴史は、それぞれの地方で活動されてきた女性たちが、問題意識と経験、知恵と工夫を織り交ぜながら、時代を担ってきた方々が作ってきた中身の濃い時空の連続なのだと、それを目の当たりにしているのだと実感して心に響くものがありました。

一方、二日間の開催でしたので熱海のホテルで(交流会を含め)同宿し、温泉も堪能することができました。海に面したホテルなので朝日が昇るさまが見事だと聞いて、朝5時起きで最上階の大浴場に向かいました。雲間から次第に赤みを帯びた光が増して輝きが広がる時時刻刻を、WABASの仲間と共に、声もなく、ただ見つめていた静寂の時間がそこにありました。ふと、こうやって諸先輩たちは様々な景色を共有し重ねてこられたのだ!と思い至りました。私は入会してそれほどは経ってはいませんが、普段ご一緒している皆さんはそれよりもかなり長い年月を、ともに活動されてきた方々です。きっとこうやって、同じ景色をたくさん見てこられたのだろうなぁ、と気づきました。

樋口恵子先生が、女性の地位向上を掲げ、社会問題と向き合い、力の結集を呼び掛けて集まった方々は、たとえ漆黒の闇の中に身を置いていたとしても、このような朝日のような輝きを一瞬でも共に垣間見ることが出来る時間があったから、前に進むことが出来たのではないか、とも感じました。

今はネットでつながることが出来る時代になりましたが、年に一度でも会員のみなさまと同時に同じ景色を共有する時間を持つことが、さらに前に進む土台に成っていくのかもしれないと思いました。
今年もあとわずかですが、会員同士、大いに語り、共鳴し、前に進んでいきましょう。

経験を共有するー熱海大会で感じたことー朝日を観ながら